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僕だけがいない街 最終回(完結・8巻)ネタバレ 1 からのつづき

43話 告白 2005.08

「全てを終わらせに来たよ 八代先生」

「その君を殺す準備中だったよ 悟」

「記憶が戻った君なら、ここ(吊り橋)に辿り着くと思っていた…」

「うん…美里を使って僕を誘い出した時の状況になぞらえてるって気づいたよ
久美ちゃんがボートに乗ったなら行き先は蓮の池・・・ここならその様子を見る事が出来る
八代先生は必ずここで僕を待っていると思ったよ」

「ご名答だ悟 だから…判らない 僕はあの娘(久美)を孤立させる為に
スケジュール表に細工を施していたんだ。 僕には15分のアドバンテージが
あるハズなんだ…  なのに今君は罠の外で僕は罠の中だ」

「僕の仕掛けに気づき 誰かの手を借りたとしても、あの娘を沈むボートから
助け出し、君の足でここまで坂を登って来るには…早過ぎるんだ
僕の算段では君が来るのは、準備が終わってからのハズだった
一体どうやったんだ?」

「久美ちゃんを殺す気はなかったんでしょ?元々僕が目標だった…」

「いや…そんな手抜きは無い あの娘は本気で殺すつもりで
仕掛けたよ そして君が必ず防ぐ事も信じていた
悟・・・君があの娘を見殺しにするワケが無い」

「僕にとって殺す意義があるのは…他者の死に抗う君だ
記憶をとり戻した悟だ」

君らに回収させた仕掛けは、君の記憶が戻っていなかった場合に
僕がとり戻そいと、あえて過去に使用した手口の道具を使った
そんな僕の小細工などお構い無しに、君は僕の想像の先を行っていた…

期待を超えてくれて…手の震えが止まらないよ
ありがとう この幸せの瞬間を僕は渇望していたんだ

・・・知りたいんだ悟
その目 困難に直面している時に君が見せるその目の輝き…
僕は過去それを何度も目撃して・・・
その度に君が成功を収めるのも見て来た…

君が僕を終わらせるのは困難な話だ
だが君の目は言っている この困難も乗り越えると
・・・僕はその目に魅了された・・・そして恐れたんだ
聞かせてくれ悟
君のその目に宿る輝きの正体を

「八代先生…先生の方こそとてもシンプルな答えに気づいてないよ
僕の目に何かを感じたんだとしたら…それは やり遂げたいという意志だ
前に踏み込む覚悟だよ あの頃(小5)も現在もそれは変わってない」

八代に向かって歩き出す悟。

吊り橋の中央、対峙する悟と八代。

聞かせてくれって先生は言ったけど、話したかったのは僕の方さ

記憶をとり戻す鍵だった言葉があるんだ
17年前には先生の犯罪を止める原動力で、僕がより強くなる為に
必要だった言葉…

心の中に空いた穴を埋めたい

八代「心の穴の話は…17年前のあの日…車の中で話したな
僕の人生哲学そのものだと…言ったのを覚えている
小学生の悟の口からその言葉を聞いた時は、正直驚いたよ」

悟「・・・だろうね だってその言葉…僕の言葉じゃないんだ
小学校の卒業式の日 僕自身が八代先生の口から聞いた言葉だ
あの日 先生言い当てていたんだ…」

6巻 31話 敗北1988.03 車の中で八代が悟に言った言葉
「君はまるで 未来でも見て来たかのようだ」

僕の小学5年生は3度あった そして現在は2度目の2005年だ
先生には15分のアドバンテージ…僕は18年のアドバンテージで
やっと五分だよ  信じてくれる?」

驚く八代、そして長い沈黙の後に八代が言った言葉は

信じるよ 悟

悟「ケンヤでさえ信じなかったよ…」

八代「そうだろうさ・・・世界中で唯一人僕だけが信じられる話だ
否定しようにも…合点のいく事象が多すぎるんだ
今なら…全て納得がいく」

悟「八代先生 終わりにしない?」

手にしていたライターに火をつける八代

「悟…僕は悪か・・・?世間の物差しではそうだ だがそれは
理性という言い訳の殻を破ろうとせず 自分の本当の欲望を隠している者が
自分を善であると肯定するための物差しだ
君の命懸けの行動力は称賛に値する 正に君も物差しの外側の人間だ
僕達は似た者同士なんだ 僕も僕を肯定する」
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倒れ込む悟。 炎に包まれる八代。

八代「僕が最後に手にするのは 悟と僕自身の死だ
そして悟 君が命と引き換えに手にするのは死という形での僕の終わりだ…」

悟「先生はその願いのどれひとつも手にする事は出来ない」

八代に向かって突進する悟
八代に抱きつく形で二人は吊り橋の下(池)に落下・・・

ボートで待機していたケンヤと澤田は、悟と八代を救出。

岸に上がり池の水面に写る自分の姿を見る八代
鏡を見る時、いつも見えていた蜘蛛の糸が見えなくなっていた

44話 僕だけがいない街 2012.01 最終回

あれから時は流れて…

ビル?の屋上。悟とケンヤ

悟「ケンヤ…八代の事聞かせてよ」

悟の前では、八代の話題を避けてきたケンヤだったが

「もう・・・大丈夫」と言う悟の言葉で、いろいろと語り始める。

あの日…八代が逮捕された2005年8月25日は、八代が初めて犯した殺人から
34年もの時が経っていた…

八代の供述が正確性を伴っていた為、裁判の進行は迅速だった。
一時は責任能力の有無を巡って無罪の可能性もあったが
現在は…確定死刑囚 西園学 として千葉刑務所に収監中だ

最後の面会の時の八代は、死刑確定直後にもかかわらず
とても落ち着いていて 時折、笑みをこぼす程だったよ。

八代が犯した殺人事件は全部で30件を超えていたよ。

1990年に悟を追って千葉に来た八代は、1992年に恋敵を殺害
西園姓を手に入れ、1996年には義父である県会議員・西園志郎も殺害。

ケンヤ「失われた時間はもう戻って来ない けど・・・
冤罪によって苦しんでいる人達の苦痛を少しでも和らげる事が
出来たんじゃないかな…
ありがとう 悟 お前の側に居られた事は俺の誇りだよ
ゴメンな 悟 お前には損な役割をさせてしまった」

悟「ケンヤ 礼を言うのは僕の方さ
僕が踏み込んで行けたのは ケンヤ達…仲間がいてくれたからさ
僕の方がみんなに救われてたんだ
ありがとう ケンヤ」

がっとりと握手をする悟とケンヤ

2010年3月

「佐知子さん 悟さん」
高校入試の合格通知を店に来た久美。

「じゃーん」悟が久美と佐知子に見せたのは高卒の認定書
嬉し泣きの佐知子。 「でかした あんた達」

悟は漫画家になっていた。
そしてアニメ化も決定。

小学生5年生の時に書いた悟の作文を見て
佐知子は思う「全部・・・叶っているべさ…」

ぼくのヒーロー 藤沼 悟

ぼくは大人になったらマンガ家になってワンダーガイのような
ヒーローを描きたい

つまずいたら、そこが新しいスタート地点だ

ぼくも信じあえる仲間をたくさん作りたい。
失敗してもあきらめずに何度でもスタートして
最後に成功したい。

雪が降る中を様々な思いにふけりながら一人歩く悟。

悟の心の声 

・・・・目覚めて以来 再上映は無い…
今この瞬間こそが本当の歴史だという事だろう
眠らなかった時の記憶が僕の中で薄れていくのが判る
いつか…消えてしまうのだろうか……

でも それでいい
眠っていた15年間…
僕はひとりぼっちじゃなかった
空白を埋めてくれた仲間たちがいた

それは他のどんな事より誇らしく
僕の心の中で眩しく輝いている

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僕だけがいない街

そこに刻まれた時間こそ

僕の宝物だ

雪は降り続いている…
橋の下、母からメールが入る「もうすぐご飯できるからね」

そして・・・

雪の中、走ってくる愛梨

愛梨「こんなに降るなんて…反則ですよね!
一緒に 雪宿りしてもいいですか?」

少し涙ぐみ、微笑む悟

未来は常に白紙だ
自分の意志だけが そこに足跡を刻める

コミック 完結第8巻は5月2日発売です。

そして6月4日より「僕だけがいない街」外伝(仮)
連載スタート!

本編で語られなかったエピソード集との事です。

僕だけがいない街 映画キャストとネタバレ【画像】